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認定経営革新等支援機関のオトクな活用法

 2017/12/23経営革新
 
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認定支援機関とは?


法律にもとづいて認定された専門性の高い経営支援機関

2012年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。

この認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、 中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。

具体的には、商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等、2017年12月22日時点で、27,460機関が認定されています。

認定支援機関による支援内容

中小企業の経営者が自分だけで、あるいは自社の人材だけで手が回らない・頭が回らない経営の重要事項について、後回しにせずに相談し解決策を見出すことをサポートするのが認定支援機関の任務です。

具体的な支援内容は以下のとおりです(経済産業省パンフレットより)。

  1. 経営革新等支援及びモニタリング支援等①経営の「見える化」支援 ・経営革新又は異分野連携新事業分野開拓(以下、経営革新等)を行おうとする中小企業・小規模事業者の財務状況、事業分野ごとの将来性、キャッシュフロー見通し、国内外の市場動向等の経営資源の内容、その他経営の状況に関する調査・分析を行います。②事業計画の策定支援 ・調査・分析の結果等に基づく中小企業・小規模事業者の経営革新等に係る事業の計画(経営改善計画、資金計画、マーケティング戦略計画等)の策定に係るきめ細かな指導及び助言を行います。③事業計画の実行支援 ・中小企業・小規模事業者の経営革新等に係る事業の計画を円滑に実施するためのきめ細かな指導及び助言を行います。④モニタリング支援 ・経営革新等支援を実施した案件の継続的なモニタリングを行います。⑤中小企業・小規模事業者への会計の定着支援 ・中小企業・小規模事業者が作成する計算書類等の信頼性を確保して、資金調達力の向上を促進させるため、「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に 関する指針」に拠った信頼性のある計算書類等の作成及び活用を推奨します。
  2. その他経営改善等に係る支援全般 ・中小企業・小規模事業者の経営改善(売上増等)や創業、新事業展開、事業再生等の中小企業・小規模事業者の抱える課題全般に係る指導及び助言を行います。
  3.  中小企業支援施策と連携した支援 ・中小企業等支援施策の効果の向上のため、補助金、融資制度等を活用する中小企業・小規模事業者の事業計画等策定支援やフォローアップ等を行います。

経営者がいちばん苦手で後回しにしている重要事項とは?

経営者がいちばん苦手で後回しにしている典型が、「経営計画」ではないでしょうか?

社長の思いを「文字化」し、お話だけでなく「数字化」し、自分・社員・金融機関・顧客・取引先にわかりやすく伝えるために「図解化」した文書が「経営計画」です。

重要とはわかっているし、いつかはちゃんと作らなければ、と思いつつも、目先の営業、お客様に満足いただくための業務遂行、日々の資金繰り、社員の育成指導、等々に追われ、やり方も分からないし時間もかかりそう、自分の頭の中のことなので部下にも任せられないので、なかなか手が付けられないでいる。

そこをサポートし、いわば社長の頭の「外付けハードディスク」として「文字化・数字化・図解化」と、目標達成支援を行うのが認定支援機関の役割です(というのが私の理解です)。

 

認定支援機関とそうでない同業者との違い

経営支援業務自体は、認定支援機関であるかないかにかかわらず、能力経験さえあれば実施できます。

では、認定支援機関とそうでない同業者との違いはどこにあるのでしょうか?

経営支援の能力や実績が国に認められていること

税務、金融及び企業の財務に関する専門的な知識を有していることについて、国家資格・免許・認可の保有または経営革新計画等の認定支援実績が3件以上あること、専門的見地から財務内容等の経営状況の分析等の指導及び助言に3年以上の実績があること、などが認定の要件です。

私の場合は、中小企業の経営コンサルティング業務を本格的に開始したのが2013年10月以降なので2017年11月の申請までに約4年、2016年11月~2017年11月の1年1ヶ月の間に、経営革新計画承認2件、経営力向上認定5件で、3年・3件の要件をクリアしました。

認定支援機関に相談できること

認定支援機関の支援分野は以下のとおりです。すべての認定支援機関がすべての分野で同じように役に立てるわけではないので、支援を必要とする分野に対応可能な認定支援機関を見つけることが必要です。

中小企業庁のHPで認定支援機関の検索を行うことができ、対応可能を調べることができます。ただし、2017年12月22日時点では、2016年10月7日認定までの機関のみとなっているので、当社はまだ掲載されていません。

●創業支援
●事業計画作成支援
●事業承継
●M&A
●生産管理・品質管理
●情報化戦略
●知財戦略
●販路開拓・マーケティング
●人材育成
●人事・労務
●海外展開
●BCP作成支援
●物流戦略
●金融・財務
●その他

 

認定支援機関だけが対応できること

経営計画の策定・実行支援を受けるのに補助金を使える

経営計画の策定自体に経験がなく、外部のコンサルタントに支援を依頼したこともないのに、いきなり多額を投じて経営計画の策定を「お願いします」というのはハードルが高いことです。

私自身もコンサルタントですが、自分ではできない広告宣伝などについて、初めてコンサルティングを依頼するときにはだいぶ考えました。

しかし、自力でいくらやっても成果が出ないが、どうしてもその成果を得たいとか、資金調達について少しでも有利な条件をつくりたい、など、背に腹は変えられない明確な理由があれば別ですね。そして、費用負担が軽減されれば、心理的・経済的なハードルが下がります。

早期経営改善計画

たとえば、早期経営改善計画は、認定支援機関による経営計画策定とモニタリング費用について、総額の2/3(上限20万円)の補助を受けられます。つまり、30万円かかるところ、10万円で済みます。

資金繰り管理や採算管理などのより基本的な内容の経営改善の取組を必要とする中小企業・小規模事業者を対象として、認定支援機関が資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図などの早期の経営改善計画の策定を支援し、計画を金融機関に提出することを端緒にして自己の経営を見直し、早期の経営改善を促すものです。早期経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及びモニタリング費用の総額について、経営改善支援センターが、3分の2(上限20万円)を負担するものです。

今のところ返済条件等の変更は必要ないが、

・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい

など、資金繰りが悪化する前に早めに手を打って売上アップ・利益アップ(返済原資の確保プラス内部留保積み増し)を図りたい中小企業にオススメです。

人間の健康になぞらえれば、「人間ドックに入り、精密検査を受け、予防する」イメージですね。認定支援機関は人間ドッグのドクターの役割を果たします。

経営改善計画

「早期」の2文字がつかない「経営改善計画」は、資金繰りがすでに悪化してしまい、金融機関への返済条件等を変更し資金繰りを安定させる必要がある中小企業への支援性施策で、認定支援機関による経営計画策定とモニタリング費用について、総額の2/3(上限200万円)の補助を受けられます。返済条件等の変更を伴うので、金融機関の合意・協力・連携が大前提です。

借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えていて、金融支援が必要な中小企業・小規模事業者の多くは、自ら経営改善計画等を策定することが難しい状況です。
こうした中小企業・小規模事業者を対象として、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」という。)が中小企業・小規模事業者 の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行うことにより、中小企業・小規模事業者の経営改善を促進します。

人間の健康になぞらえれば、すでに症状が進行してしまっているものの治療可能であり、「一定期間の入院加療や手術によって根治する」イメージですね。認定支援機関は入院先の病院の主治医の役割を果たします。

補助事業計画申請段階での支援

当社が認定支援機関に認定された2017年12月22日と奇しくも同日、平成30年度予算案と平成29年度補正予算案が閣議決定されました。

平成29年度補正予算には、

  • ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業(1000 億円):革新的なものづくり・サービス開発のための設備投資等を支援する。
  • サービス等生産性向上 IT 導入支援事業 (500 億円)バックオフィス業務の効率化等に資する IT ツールの導入を支援する。

が盛り込まれています。28年度補正予算にもあった「ものづくり補助金」「IT導入補助金」ですね。

公募開始は国会での予算成立が前提となるので、順調にいけば3月ごろと想定されます。28年度補正予算にもとづく公募要領を参考にすると、これらの補助事業への申請にあたり、認定支援機関の関与が必要となると思われます。

なお、平成30年度以降、設備やITツール導入への投資に対する高額・高率の補助事業は見直しがかかることが確実となっています(財政制度審議会「平成30年度予算の編成等に関する建議」p.77-78参照)。

採択され、必要な設備またはITツール導入に着手できるのは、平成30年度に入って6月前後と想定されるので、その頃に投資をお考えの経営者の方は、公募開始前に準備に着手することをお勧めします。

まとめ

3年後・5年後を見据えた経営の道筋をしっかりつけたい、とお考えになったら、まずは顧問の税理士や取引のある金融機関が認定支援機関であるかどうかを確認してみてください。今までのお付き合いの中では知らなかった支援を受けられる可能性があるかもしれません。

もし、身近に認定支援機関が見当たらない、あるいは相談してみたけれども自分に必要な内容・レベルの助言が得られないようであれば、当方にご相談いただくのも選択肢の1つとしてお考えください。

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ライター紹介 ライター一覧

西原 弘

西原 弘

(にしはら ひろし)


経営計画コンサルタント

自分もクライアントも、「自営業という生き方」「経営者という生き方」でよかったと人生をまっとうできる、「会心の経営、会心の人生」を追求しています

略歴
・神奈川県川崎市、小売酒屋の次男に生まれる(1968)
・東京大学文学部卒業(1991)
・株式会社三菱総合研究所研究員(1991-2002)
・有限会社サステイナブル・デザイン研究所設立・代表(2002-)

コンサルティング/コーチングの基本原則
・社内にいない・雇用で確保できない人材の穴を埋めます:社外部長(社外CXO)
・規模によって異なる社長の課題と役割にフォーカスします:ひとり社長経営・脱ひとり社長経営・チーム経営・組織経営
・業種・業態を問わない成功方程式があります:あり方×なり方×やり方×つづけ方=目標達成

心の言葉
・心の欲する所に従って矩を踰えず(孔子)
・不易流行(松尾芭蕉)
・為せば成る(上杉鷹山)
・ピンチはチャンス(福岡正伸)
・感動で決断、論理で実行(西原弘) 

教育・講座(代表例)
・立教大学観光学部兼任講師(環境社会学)(2003-2006)
・島づくり人材養大学講師(2007-)
・ひとり社長大学主宰(2014-)
・2015-16年度第2創業スクール講師(御茶ノ水・虎ノ門・品川・表参道)
・20717年度しまビジネス創業スクール主宰・講師

資格・登録
・技術士(衛生工学部門)
・エコアクション21審査人
・キャッシュフローコーチ
・あしたの給与コンサルタント
・セールスレップ2級
・アンガーマネジメントファシリテーター
・健康経営アドバイザー(初級)

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