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29年度補正ものづくり補助金 公募要領等解説~1/6更新~

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2018年1月5日公募事前予告

中小企業庁HPにて、H29補正「ものづくり補助金」の事務局募集と公募事前予告が行われました。

  • 事業名:平成29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」
  • 目的:中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する経費の一部を補助することにより、中小企業・小規模事業者の生産性向上を図ること
  • 補助対象:中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の経費

事務局募集

ものづくり補助金の公募・審査・精算等の実務を運営する事務局の公募です。

募集期間は平成30年1月5日(金)~1月24日(水)で、事務局が決定後、H29年度補正予算成立から1ヶ月程度後に公募が開始される予定です。

公募資料では、事務局による事業の実施期限は「平成30年3月末まで」と記載されていますが、「平成30年3月末まで」の誤記ではないでしょうか?

事務局公募ということですが、例年、全国中小企業中央団体が事務局本部となり、実際の窓口は各都道府県の中小企業団体中央会が担う形となっています。

過去のものづくり補助金事業の業務の蓄積のない他の組織が、新たに選定されるとは考えにくいでしょう。

公募事前予告

事務局募集の公募要領の中に埋め込まれる形で、別添3として今年度の補助対象要件等も開示されています。

業務の概要、応募方法その他留意していただきたい点は、この公募要領に記載するとおりです。応募される方は、熟読いただくようお願いいたします。

と書いてあるので、応募をお考えの経営者は、こちらを熟読して、準備に着手しましょう。

しかし、どう読むと熟読したと言えるのでしょうか?

過去のご相談・ご支援の経験から、「なぜうちの申請が落ちたかわからない、おかしいよ!」とおっしゃる方の申請書を拝見させていただくと、ほとんどの場合、公募要領を読んでいない・読んだけれど読み間違えたり独り合点しているために、要件を満たさない申請書を書いてしまっているのです。

極端な場合は、革新的サービス類型の内容なのに、ものづくり類型の様式を使っていた例がありました。この例などは、内容を読む以前に、様式が違っていますから、審査すること自体が不可能だったと思われます。認定支援機関の確認書があったのに、なおさらお気の毒でした。

というわけで、以下、筆者はこのように読みますよ、という解説をしますので、熟読の参考になさってください(網掛け部分と表が、原資料からの引用です)。

なお、予算成立、公募開始までに、若干の変更が入る可能性はありますので、ご留意ください。

補助対象事業

中小企業・小規模事業者の生産性向上に資する設備投資等を補助することが目的で、事業内容は①革新的サービス開発、②試作品開発、③生産プロセスの改善の3類型が想定されています。

足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の経費の一部を補助する。

補助対象者

まず、「認定支援機関の全面バックアップを得た」と書かれている点が、特徴的です。例年より、認定支援機関の関りが重要視されていると解されます。

認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業・小規模事業者であり、以下の要件のいずれかを満たす者。

ただし、「全面バックアップ」の内容は明示されていません。

あくまで想定ですが、2017年11月29日付「平成30年度予算の編成等に関する建議」の記載内容を踏まえると、

  • 中長期の経営計画の精度、とくに収益性のチェック
  • 資金調達面の支援(端的に言えば融資)の確度

等が重視されてくるのではないでしょうか。計画内容の精査と融資の事前相談のために、認定支援機関にできる限り早く相談しましょう。

具体的な要件は次のとおりです。「3~5年で付加価値額年率3%以上、かつ、経常利益年率1%以上の向上」を達成できる計画を立ててください、ということです。

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。

または「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。

サービス事業においては、革新的なサービスの創出and/orサービス提供プロセスの改善であること、ものづくり事業においては、革新的な試作品開発and/or生産プロセスの改善であることが必要です。

従来もそうですが、耐用年数を経過した設備を単純にリプレースする場合、単に新しい機械装置等を導入するだけでサービス・製品・生産プロセスの革新にはつながらない場合などは、革新性の部分で要件をクリアするのが難しいでしょう。

ものづくり補助金のご相談者にはいつもお伝えするのですが、要件をクリアするには「体操日本代表の白井健三選手並みに、ひねる必要があります」。

より具体的な要件や審査基準は、公募要領に記載されます。

補助対象事業の具体的な内容と補助額等

ここが一番関心の高いところですね。今年度は、ちょっと、というか、かなり複雑です。

なお書き、※印の備考まで、注意深く読み解く必要がありますが、これから新たに導入される制度を前提としている箇所もあるので、現時点では詳細がわからない部分も残されています。

類型対象経費の区分補助上限額

(補助下限額)

補助率
1.企業間データ活用型

(※1)(※2)

機械装置費

技術導入費

運搬費

専門家経費

クラウド利用費

1,000万円

(100万円)

3分の2
2.一般型

(※1)(※3)

機械装置費

技術導入費

運搬費

専門家経費

クラウド利用費

1,000万円

(100万円)

2分の1
3.小規模型

(※1)

機械装置費

原材料費

技術導入費

外注加工費

委託費

知的財産権等関連経費

運搬費

専門家経費

クラウド利用費

500万円

(100万円)

小規模事業者:

3分の2

 

その他:

2分の1

注)見やすくするために筆者が表組を一部改変していますが、内容の改変はありません

なお、平成 30 年通常国会提出予定の生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)に基づき、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において、補助事業を実施する事業者について、その点も加味した優先採択を行う。
※1 本事業遂行のために必要な専門家を活用する場合 補助上限額30万円アップ
※2 連携体は10者まで。さらに 200 万円×連携体参加数を上限額に連携体内で配分可能
※3 以下のいずれかの場合には補助率 2/3
・平成 30 年通常国会提出予定の生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)に基づき、固定資産税ゼロの特例を措置した地方自治体において補助事業を実施する事業者が、先端設備等導入計画(仮称)の認定を取得した場合
・3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%に加え、「従業員一人当たり付加価値額」(=「労働生産性」)年率3%を向上する中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画を、平成 29 年 12 月 22 日の閣議決定後に新たに申請し承認を受けた場合(上記の法律に基づく計画は、応募段階には計画申請中等で認める予定)

まず、補助額・補助率ですが、補助上限額は1,000万円となり、前年度までの3,000万円枠はなくなりました。補助率は、一律3分の2ではなく、2分の1の場合もあります。

なお書きで、「平成 30 年通常国会提出予定の生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)に基づき、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において、補助事業を実施する事業者について、その点も加味した優先採択を行う。」とあるのですが、その法律自体が未成立で、どの自治体が「固定資産税ゼロの特例を措置」するのかも現時点ではわかりません。

全類型共通の※1で、「本事業遂行のために必要な専門家を活用する場合 補助上限額30万円アップ」とあるので、認定支援機関をはじめとするコンサルタント等の活用がしやすくなるでしょう。

企業間データ活用型だけに適用される※2で、「連携体は10者まで。さらに 200 万円×連携体参加数を上限額に連携体内で配分可能」とあるのは、たとえば発注者と受注者の間での受発注データ連携を行う場合、各社が導入する機械装置や費用負担するクラウド利用費などがあれば、上限1000万円とは別枠で、200万円×連携者数分の補助金の上乗せがあるよ、ということです。

一般型だけに適用される※3で、「先端設備等導入計画(仮称)の認定」または「一定要件を満たす経営革新計画(申請中でも可)」は、補助率を2分の1から3分の2に引き上げとされていますが、「先端設備等導入計画(仮称)」の詳細は不明です。また、平成29年12月22日以後に新たに申請という条件がついているので、経営革新計画の承認もハードルが高いですね。

小規模型の場合のみ原材料費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費への補助が認められます。これらは試作品製作に関係する費用です。

補助予定件数

補助予定件数は、2017年11月16日の安倍総理大臣の発言どおり、「約1万件」です。

予算額が1000億円ですから、単純計算で1件1000万円ということになりますが、補助額上限以下での申請や、小規模型の採択件数によっては、総数は増える可能性があります。

約1万件
(参考:平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金公募、申請数 15,547件、採択数 6,157件)

参考として記載されているH28補正の場合、採択率は39.6%、ほぼ4割でした。

 

2017年12月25日補正予算説明資料

類型、補助額、補助率の概要がわかります。

原資料はこちらのp.17です。他の補助金の情報も併せてご覧になってください。

 

ご相談はこちらからどうぞ

お近くに、ものづくり補助金について、上記のように詳しく教えてくれる認定支援機関がみつからない場合は、筆者も認定支援機関なので下記よりご相談ください。

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ライター紹介 ライター一覧

西原 弘

西原 弘

(にしはら ひろし)


経営計画コンサルタント

自分もクライアントも、「自営業という生き方」「経営者という生き方」でよかったと人生をまっとうできる、「会心の経営、会心の人生」を追求しています

略歴
・神奈川県川崎市、小売酒屋の次男に生まれる(1968)
・東京大学文学部卒業(1991)
・株式会社三菱総合研究所研究員(1991-2002)
・有限会社サステイナブル・デザイン研究所設立・代表(2002-)

コンサルティング/コーチングの基本原則
・社内にいない・雇用で確保できない人材の穴を埋めます:社外部長(社外CXO)
・規模によって異なる社長の課題と役割にフォーカスします:ひとり社長経営・脱ひとり社長経営・チーム経営・組織経営
・業種・業態を問わない成功方程式があります:あり方×なり方×やり方×つづけ方=目標達成

心の言葉
・心の欲する所に従って矩を踰えず(孔子)
・不易流行(松尾芭蕉)
・為せば成る(上杉鷹山)
・ピンチはチャンス(福岡正伸)
・感動で決断、論理で実行(西原弘) 

教育・講座(代表例)
・立教大学観光学部兼任講師(環境社会学)(2003-2006)
・島づくり人材養大学講師(2007-)
・ひとり社長大学主宰(2014-)
・2015-16年度第2創業スクール講師(御茶ノ水・虎ノ門・品川・表参道)
・20717年度しまビジネス創業スクール主宰・講師

資格・登録
・技術士(衛生工学部門)
・エコアクション21審査人
・キャッシュフローコーチ
・あしたの給与コンサルタント
・セールスレップ2級
・アンガーマネジメントファシリテーター
・健康経営アドバイザー(初級)

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