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経営力向上計画の認定を受けるには?④チェックシート:申請前の最終チェック

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記入項目

中小企業庁HPより、申請書提出用チェックシートをダウンロードします。基本的に、エクセルで作業する前提で解説していきます。

記入項目は、以下の5点です。

  1. 事業者の概要
  2. 必要提出書類について
  3. 申請書の記載事項について
  4. 基本方針又は事業分野別指針への適合について
  5. その他の事項

事業者の概要

 

概要情報の記入

基本的に、考えずに記入できる項目ばかりです。申請書に取り掛かる前に記入しておいてもよいでしょう。

  • 事業者名:様式1(申請書鑑)との記載と一致するよう記入する
  • 資本金:別紙(経営力向上計画)の1.名称等の欄の記載と一致するよう記入する
  • 住所(返送先):返送先の住所を記入する(申請時に同封する返送用封筒に記載する宛先と一致すること)
  • 従業員数:別紙(経営力向上計画)の1.名称等の欄の記載と一致するよう記入する
  • 決算月:○月の数字だけを記入する
  • 本件担当者名:正しく記入する
  • 担当者メールアドレス:正しく記入する(修正等の連絡時に使用するので重要!)
  • 電話番号:正しく記入する(修正等の連絡時に使用するので重要!)
  • FAX番号:正しく記入する
  • 所得金額又は欠損金額の状況:直近決算で赤字の場合だけ、プルダウンより「✔」を選択する

 

最後の「所得金額又は欠損金額の状況」について、直近決算内容がわかっていれば迷うことはありませんが、もし念のため、確認するという場合は、

  • 法人は法人税申告書別表一(一)の「1所得金額又は欠損金額」の欄
  • 個人事業主あは申告書の「所得金額」の欄

を参照してください。

チェックの仕方

ここから先の各項目は、文章を読んで、申請者チェックのセルのプルダウンより、次のいずれかを行います。

  • OKであれば「✔」を選ぶ
  • 該当しない場合は「該当なし」を選ぶ(手書きの場合は斜線を引く)

つまり、チェックシートの記入が完了したならば、「✔」も「該当なし」も「斜線」もない、単なる空欄のセルは残らない、ということになります。

逆に、空欄のセルがあれば、チェックが未完了ということになります。

 

Ⅰ必要提出書類について

「必要提出書類について」でのチェックは4項目です。

申請書(原本)、申請書(写し)、返信用封筒

1 申請書(原本)、申請書(写し)、返信用封筒(A4の認定書を折らずに返送可能なもの。返送用の宛先を記載し、切手(申請書類と同程度の重量のものが送付可能な金額)を貼付してください。)

提出書類は、①申請書(原本)、②申請書(写し)、③返信用封筒の3点が必ず必要です。

「申請書(原本)」とは、捺印してある申請書鑑(様式1)と別紙(経営力向上計画)のセットを1部です。

「申請書(写し)」とは、上記「原本」一式のコピーを1部です。実質、鑑(様式1)のみがコピーで、別紙(経営力向上計画)はプリンタから直接出力したものでもかまいません。

「返信用封筒」は、「A4の認定書を折らずに返送可能なもの」と指定されているので、具体的には角2封筒ですね。

用意した封筒に「返送用の宛先を記載」し、「申請書類と同程度のものが送付可能な金額」の切手を貼付してください。

「送付用封筒、同封するすべての書類(上記①②③と、必要な場合は証明書等)、返信用封筒に、認定証相当としてA4用紙1枚を加えた」一式の重さを秤で量って、

  • 50g以内なら120円
  • 100g以内なら140円
  • 150g以内なら205円
  • 250g以内なら250円

です。ちなみに、A4サイズのコピー用紙は1枚約4g、角2封筒は1枚約15-20gです。

すべてOKなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

工業会等の証明書等の写し

2 税制措置の適用を受ける場合、工業会等の証明書(A類型、固定資産税軽減)又は経済産業局の確認書・申請書・基準への適合状況(B類型)の写し

※いずれも原本は申請者が保管

固定資産税の軽減、即時償却または10%(7%)の法人税軽減を受ける設備等がある場合は、前記①②③に加えて、

  • 工業会等の証明書の写し
  • 経済産業局の確認書・申請書・基準への適合状況の写し

を同封します。これらの原本は、確定申告時に税制措置の適用を受ける際にも必要になるので、手元に大切に保管してください。

証明書等がすべてそろっているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

税制措置の適用を受ける設備等がない場合は、プルダウンから「該当なし」を選びます。

リース見積書等

3 リースを利用して固定資産税の軽減措置を受ける場合、リース見積書・リース事業協会が確認した固定資産税軽減額計算書(いずれも写し)

ここは、かなり特殊なケースになりますが、経営力向上計画に記載した設備等を購入するにあたり、リースを利用し、かつ、固定資産税の軽減措置を受ける場合は、

  • リース見積書の写し
  • リース事業協会が確認した固定資産税軽減額計算書の写し

も同封します。これらの原本は、確定申告時に税制措置の適用を受ける際にも必要になるので、手元に大切に保管してください。

見積書・計算書がすべてそろっているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

税制措置の適用を受ける設備等がない場合は、プルダウンから「該当なし」を選びます。

提出資料の写し等は手元に残してあるか

提出資料の写し等は手元に残してあるか

※税制措置の適用を受ける場合は、税の申告の際に上記1~3の写しが必要になります。

かなりしつこいですが、申請時に送付する資料は一式すべて、コピーをとって保管してください、ということですね。

保管しない自由はありますが、目当ての税制優遇措置が受けられなくなる可能性があるので、確実に。

すべてコピーをとって保管できる状態なら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

 

Ⅱ申請書の記載事項について

「申請書の記載事項について」でのチェックは14項目です。行頭の表紙とは、様式1(申請書の鑑)、1~8までは、別紙(経営力向上計画)の項目建てと対応しています。

ですから、完成した様式1・別紙とチェックシートを見比べながら、内容にモレ・ヌケ・不備がないかを確認してください。

住所、記名、押印

表紙 申請書表紙に住所、記名、押印があるか(法人の場合は法人の実印を押印のこと)。

様式1(申請書鑑)に、住所、記名、押印があるか、そのままですね。

「氏名を自署する場合は、押印を省略すること」ができますが、ワードで作業するなら、ファイル上に記載し出力して押印した方が間違いがないでしょう。

申請書表紙に住所、記名、押印があるなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

複数事業分野の場合の連名宛名

表紙 事業分野が複数の分野にまたがる場合は、宛名は各所管大臣(所管大臣が権限を委譲している場合、地方支分部局の長)を連名にしているか。

この項で該当する可能性があるのは、次の5業種です。

  • 医療用機械器具の製造業
  • 医療用機械器具の卸売業(歯科用機械器具を含む)
  • 医療用品卸売業
  • 旅館業
  • 外食・中食産業

申請書の宛名が1または2箇所・提出先が1箇所の業種

主管申請書の宛名・提出先業種
厚生労働省

経済産業省

【医療機器の製造業の許可等を受けている場合*】

①    厚生労働大臣

②    ○○経済産業局長/沖縄総合事務局長

【受けていない場合】

○○経済産業局長/沖縄総合事務所長

※提出先は、許可の有無にかかわらず、○○経済産業局/沖縄総合事務所

製造業(医療用機械器具)

*「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の規定による

申請書の宛名が2箇所・提出先が1箇所の業種

主管申請書の宛名・提出先業種
経済産業省

厚生労働省

①    ○○経済産業局長/沖縄総合事務局長

②    厚生労働大臣

※提出先は、○○地方経済産業局/沖縄総合事務局

医療用機械器具卸売業(歯科用機械器具を含む)、医療用品卸売業
国土交通省

厚生労働省

①  ○○運輸局長/沖縄総合事務局長

②厚生労働大臣

※提出先は、○○運輸局か厚生労働省のいずれか1つ

旅館業
農林水産省

厚生労働省

 

①  北海道農政事務所長/○○農政局長/沖縄総合事務局長

②  厚生労働大臣

※提出先は、北海道農政事務所/○○農政局/沖縄総合事務局か、厚生労働省のいずれか1つ

外食・中食産業

事業分野が複数の分野にまたがる場合の宛名は、上2表のようになりますが、そもそも自社が複数分野にまたがるのかどうか確信が持てないなどの場合は、主管の省庁に問い合わせてみましょう。

事業分野が複数の分野にまたがる場合、正しく連名宛名にできているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

事業分野が複数の分野にまたがらないなら、「該当なし」を選びます。

 事業概要等の記載

ここから、別紙(経営力向上計画)の記載内容のチェックです。

1 申請書に名称等の欄に、事業者の氏名又は名称、代表者名、資本金又は出資の額、常時使用する従業員の数、法人番号13桁(ある場合のみ)を記載しているか。

基本的に、考えずにチェックできる項目ばかりです。

各項目が漏れなく記載されているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

日本標準産業分類と事業別分野指針名の記載

2 計画で取り組む事業分野(日本標準産業分類の中分類(2桁)及び細分類(4桁)のコード及び項目名)、事業別分野指針名(ある場合)を記載しているか。

中分類の2桁番号、細分類の4桁番号の記載漏れや、細分類の項目名(業種の名称)を勝手に略していないか、などをチェックしましょう。

ちなみに、製造業の記載例では、

  • 事業分野:24 金属製品製造業 2451 アルミニウム・同合金プレス製品製造業器・複合部品製造業
  • 事業分野別指針名:製造業に係る経営力向上に関する指針

となっています。

中分類の2桁番号が「24」、細分類の4桁番号が「2451」で、長くても略さないでね、ということで文字数の多い業種が使われていますね。

また、事業分野別指針名は、単に「○○業」ではなく「○○業に係る経営力向上に関する指針」まで全部記載してください、ということです。

中分類の2桁番号、細分類の4桁番号と項目名、事業別分野指針名(ある場合)が漏れなく記載されているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

事業別分野指針名がない場合は、中分類の2桁番号、細分類の4桁番号と項目名が漏れなく記載されているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

計画期間と経営力向上設備等の取得時期

計画の実施期間は、3年~5年となっているか。経営力向上設備等の取得は、実施期間内に行われているか。

2年計画や、6年以上の計画、あるいは、3.5年や4.2年といった計画は要件を満たしません。3年か、4年か、5年か、3パターンのみです。

また、計画開始前に取得した設備等は記載できませんし、計画終了後に取得する予定の設備等は計画対象外ですから記載する意味がありません。

計画期間は3年・4年・5年のいずれかで、経営力向上設備等の取得がその期間内に計画されているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

(計画期間内の経営力向上設備等の取得予定がなければ、計画期間が3年・4年・5年のいずれかなら、プルダウンから「✔」を選びます。)

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

現状認識の記載

4 ①自社の事業概要、②自社の商品・サービスが対象とする顧客・市場の動向、競合の動向、③自社の経営状況について記載しているか。

①②③の3つの欄がありますから、空欄がないというのが大前提ですね。

最低限の記載内容は、経営力向上計画の認定を受けるには?③別紙:経営力向上計画の内容を書くを参照して、満たすようにしましょう。

①自社の事業概要、②自社の商品・サービスが対象とする顧客・市場の動向、競合の動向、③自社の経営状況が記載されていれば、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

目標値の設定

5 指標の種類、現状、計画終了時の目標、伸び率を記載しているか。

計算式が指定されている場合には、それに基づいて計算しているか。

4列の表になっているので、ここも、空欄がないというのが大前提ですね。

指標の種類は、基本的には「労働生産性」、事業分野別指針がある場合は、その指針で指定されている指標であるかどうかを再確認します。

現状は直近決算値、計画終了時の目標と伸び率は、基本方針または事業分野別指針で、計画期間ごとに最低値が指定されている(基本方針の「労働生産性」であれば、3年:+1.0%以上、4年:+1.5%以上、5年:+2.0%以上)ので、それを満たしているかどうかを再確認します。

指標の種類、現状、計画終了時の目標、伸び率が記載され、計算式、目標値が指定の要件を満たしていれば、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

事業分野別指針との対応性

6 -1(事業分野別指針がある場合)事業分野別指針の該当箇所を記載しているか。

実施事項として具体的な取組を記載しているか。

事業分野別指針において規模に応じた取組項目の数が定められている場合、必要な項目以上の取組を記載しているか。

1項目に見えますが、3つのチェック事項が含まれています。本当は、こういう場合は3項目に分けてほしいところではあります。

「事業分野別指針の該当箇所」というのは、イ(1)やロ(2)のように、イ、ロ、ハ・・・の番号です。

「実施事項として具体的な取組」というのが、経営力向上のために経営者が講じていく施策ですから、ないわけはないですね。ただ、「事業分野別指針の該当箇所」の内容と整合している必要はあります。

「事業分野別指針において規模に応じた取組項目の数が定められている場合」というのは、小規模:○項目以上、中規模:○項目以上、大規模:○項目以上という指定があれば、その項目数だけはあるか数えて再確認してください、ということです。

事業分野別指針の該当箇所、実施事項として具体的な取組を記載し、必要な項目以上の取組を記載していれば、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

新事業活動への該非

6-2 新事業活動への該非について、該当している項目がある場合、○と記載し、新事業活動である理由を記載しているか。

「具体的な取組」の内容が、新事業活動に該当する場合は、その項目の一番右の欄に「○」がついているかを確認します。

「新事業活動である理由を記載」については、「具体的な取組」の記述の中に、どの類型の新事業活動となるかを、現在の事業活動との対比で記載してあるかを確認します。

新事業活動の類型は、経営革新計画の経営革新の定義に準じていましたね。次のとおりです。

  1. 新商品の開発又は生産
  2. 新役務の開発又は提供
  3. 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
  4. 役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

新事業活動に該当する取組がなければ空欄です。新事業活動があってもなくても認定されるかされないかには影響しないので、ないならないで、全部空欄でかまいません。

新事業活動に該当する取組がある場合、その「具体的な取組」の記述に新事業活動に該当する理由と該否の欄に「○」が記入されているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

新事業活動に該当する取組がない場合、「該当なし」を選びます。

資金調達の記載

7 実施事項(6 経営力向上の内容の実施事項の記号)、金額、資金調達方法を記載しているか。

同一の使途・用途であっても、複数の資金調達方法により資金を調達する場合には、資金調達方法ごとに項目を分けて記載されているか。

「実施事項の記号」というのは、ア、イ、ウ・・・の番号のことです。

資金調達の必要がある実施事項についてのみ、使途・用途、必要金額と、自己資金、融資、補助金等の調達方法を記載しているかを確認します。

「同一の使途・用途であっても、複数の資金調達方法により資金を調達する場合」というのは、たとえば半分は自己資金、半分は融資で調達する場合で、その場合は、「資金調達方法ごとに項目を分けて」というのは、2行に分けてそれぞれの金額を記載してください、ということです。

1000万円の設備投資を必要とし、半分は自己資金、半分は融資で調達する計画なら、

  • ア:経営力向上設備等費用・500万円・自己資金
  • ア:経営力向上設備等費用・500万円・融資

となります。

資金調達の必要がない実施事項は、ここでは関係してきません。実施事項すべてで資金調達の必要がないのであれば、空欄です。ただ、その場合、経営力向上計画の認定を受けるメリットが、税制面でも資金調達面でも考えにくいですね。

資金調達を必要とする場合、実施事項の記号(ア、イ、ウ・・・)、使途・用途、金額、資金調達方法を記載しているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

同一の使途・用途で複数の資金調達方法により資金を調達する場合、資金調達方法ごとに項目を分けて(行を分けて)記載しているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

すべての実施事項について資金調達の必要がない場合、「該当なし」を選びます。

経営力向上設備等の記載

8-1 実施事項(6 経営力向上の内容の実施事項の記号)等の各項目は、記載しているか。

また、名称/型式、文書番号等は、工業会の証明書・経産局の確認書と一致しているか。

「実施事項の記号」というのは、ア、イ、ウ・・・の番号のことです。

このほか、「取得年月」は基本的には予定の年月(平成○○年○○月)、事後申請の場合は実際の取得年月です。

「利用を想定している支援措置」は、固定資産税の軽減、国税A類型(生産性向上設備)、国税B類型(収益力強化設備)の中から、該当するものに「○」がついているかを確認します。

「設備等の名称/型式」は、A類型の場合は工業会の証明書、B類型の場合は経産局の確認書と一致していることを確認します。

万が一、証明書または確認書がない場合は、入手するところからやり直す必要があります。これから取得予定なら、まだなんとか間に合わせることも可能ですが、既に取得済みである場合は、取得年月日から60日以内に経営力向上計画の申請が受理されなければ優遇措置を受けられません。

「所在地」は、取得した設備等を設置する市町村まで明記(○○県○○市)してあるかを確認します。

「設備等の種類」は、機械装置、ソフトウェア、器具備品、工具、建物附属設備のいずれかが記入されていることを確認します。

「単価」「数量」「金額」は見積書と照合してください。

「証明書等の文書番号」は、A類型の場合は工業会の証明書、B類型の場合は経産局の確認書の文書番号のことです。

導入する経営力向上設備等がない場合は、以降、空欄でかまいません。

経営力向上設備等を導入する場合、設備等(1,2,3・・・)ごとに、実施事項の記号(ア、イ、ウ・・・)、取得年月、利用を想定している支援措置、設備等の名称/型式、所在地、設備等の種類、単価、数量、金額、証明書等の文書番号をすべて記載しているなら、プルダウンから「✔」を選びます。

導入する経営力向上設備等がない場合は、「該当なし」を選びます。

税制優遇の対象となる要件のクリア

8-2 税制措置の適用を受ける場合、税制優遇の対象となる中小企業者等(資本金1億円以下等)であるか。

固定資産税の優遇(3年間1/2)を受けられるのは、次の事業者ですね。

  • 資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人

即時償却または取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の優遇を受けられるのは、上記に

  • 協同組合等(中小企業等経営強化法第2条第2項に規定する「中小企業者等」に該当するものに限る)

が加わります。
いずれの税制優遇措置についても、資本金が1億円以下であったとしても、次の場合は対象外です。

  • 同一の大規模法人(資本金もしくは出資金の額が1億円超の法人又は資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人)から2分の1以上の出資を受ける法人
  • 2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

出資関係、再度確認が必要です。

税制措置の適用を受ける場合、税制優遇の対象となる中小企業者等(資本金1億円以下等)であるなら、プルダウンから「✔」を選びます。

税制措置の適用を受けない場合は、「該当なし」を選びます。

事後申請の場合、設備取得後60日以内の申請か

8-3 経営力向上設備の取得後の申請の場合は、設備取得後60日以内の申請となっているか。

これはルールなので、60日を過ぎてしまったなら、税制優遇措置の適用はあきらめるしかありません。

注意しなければならないのは、60日以内に申請が「受理」される必要があるということなので、少なくともその前日までに申請書を所定の宛先に投函しなければなりません。

税制措置の適用を受け事後申請の場合は、設備取得後60日以内の申請であるなら、プルダウンから「✔」を選びます。

税制措置の適用を受けない場合、税制措置の適用を受けるが事後申請ではない場合は、「該当なし」を選びます。

投資計画の報告義務

8-4 投資計画に関する経産局の確認(B類型)を受けた場合、当該投資計画の実施状況について3年間報告が必要であることについて了解か。

これもルールなので、了解してください。了解しない場合は、そもそも経営力向上計画の申請自体をする意味がありません。

投資計画に関する経産局の確認(B類型)を受けた場合、当該投資計画の実施状況について3年間報告が必要であることについて了解なら、プルダウンから「✔」を選びます。

投資計画に関する経産局の確認(B類型)を受けていない場合、「該当なし」を選びます。

 

Ⅲ基本方針又は事業分野別指針への適合について、Ⅳその他

「基本方針又は事業分野別指針への適合にについて」でのチェックは1項目です。

「その他」でのチェックは4項目です。

最後に、代表者名、支援を受けた認定支援機関の名称の記載があります。

人員削減目的ではないこと

本経営力向上計画が人員削減を目的とした取組ではないこと。

経営力向上の指標が、基本的に労働生産性ですから、指標の数値を大きくしたければ、計算上は、分母となる従業員数、または総労働時間の数値を小さくすればよい、ということになります。

従業員数、または総労働時間の数値を小さくするというのは、つまり、人員を削減すれば達成可能ですが、それは経営力向上の趣旨ではないですよ、ということの確認ですね。

もちろん、結果として諸事情により3~5年の計画期間中に人員削減になることもあり得ますが、それを禁止しているわけではありません。人員削減を目的としないで下さい、ということです。

また、人員・給与を削減せずに就業時間を削減することで時間当たり労働生産性を削減できることもあるでしょう。これはまさに生産性向上ですから望ましい成果ですね。

本経営力向上計画が人員削減を目的とした取組ではないと言えるなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」はあり得ません。

金融機関との相談

金融支援の利用を検討している場合は、関係機関に相談を行ったか。

資金調達方法において、「融資」と記載している場合が該当します。

関係機関というのは、お取引のある金融機関の支店や保証協会等ということになります。

経営力向上計画の認定を受けるのは、経営上プラスのことですから、金融機関の担当者も事前に相談されて嫌な顔はしないはずです。

「相談を行った」かどうかですから、融資の確約や内定まで求められているわけではありませんし、計画の申請をする前から金融機関側でそういう判断をするのも難しいでしょう。

金融支援の利用を検討している場合は、関係機関に相談を行ったなら、プルダウンから「✔」を選びます。

※この項目で「該当なし」は避けましょう。

認定企業としての公表可否

認定された場合、貴社の事業社名、法人番号、住所等を中小企業庁HP等で公表することは可能か。

※協力依頼です。

本項と次項だけは、可の欄か、不可の欄のいずれかに「✔」を入れる方式です。

経営力向上計画の認定を受けたことが公表されて、不利益になることが発生するとは考えにくいですから、よほど特段の事情がないなら、「可」としておきましょう。

むしろ、「中小企業庁HPに載ってるよ」と正々堂々と関係者に伝えた方がよいのではないでしょうか。

もちろん、あくまで「協力依頼です」と明記されていますから、どうしてもという場合は「不可」を選ぶこともできます。

社名等の公表「可」なら、該当欄のプルダウンから「✔」を選びます。

社名等の公表「不可」なら、該当欄のプルダウンから「✔」を選びます。

計画内容の公表可否

認定された場合、貴社の計画の内容等について、別途同意の上、事例集として中小企業庁HP等にて公表することは可能か。

※協力依頼です。

ここもあくまで「協力依頼」なので、可でも不可でもよいのですが、何万という認定企業の中から、「事例集として中小企業庁HP等にて公表」してもらえるなら、大いにウェルカムではないでしょうか?

また、「別途同意の上」という留保条件がついているので、記載内容について同意できなければ、その時点でお断りするという選択肢もある、と読めます。

きわめて秘匿性の高い内容が記載されていたり、税制優遇措置の適用は受けたいけれど、どうしても内緒にしておきたいという場合もあり得ますので、そうした場合は「不可」にした方がよいですが、そうでないなら「可」としておきましょう。

計画内容等の公表「可」なら、該当欄のプルダウンから「✔」を選びます。

計画内容等の公表「不可」なら、該当欄のプルダウンから「✔」を選びます。

補助金等の申請予定

本計画の申請に併せて補助金等の申請を予定している場合、補助金等の名称等を記載

補助金等名称、交付機関名、申請時期:平成○○年○○月(予定)

同一の設備等について、補助金の受給と、税制優遇措置の適用を受けることは可能です。

資金調達方法として、補助金と記載した場合は、この欄に申請予定の補助金の名称等を記載しておきます。

ただし、予算が成立する前に、「補助金等名称、交付機関名、申請時期」を正しく記載することはできないので、その場合は、前年度の公募要領等を参考に記載するほかありません。

ちなみに、平成28年度補正予算のものづくり補助金、IT導入補助金では、経営力向上計画の認定を受けていることが、加点要素となりました。

資金調達方法として「補助金」を記載した場合、「補助金等名称、交付機関名、申請時期」を記載します。

補助金の申請予定がないなら、空欄のままです。

代表者名

代表者名(氏名を自署する場合、押印は省略可)

エクセル作業を前提とするなら、氏名を記入して、出力後に押印でよいでしょう。

どうしても押印したくない、どうしても氏名を手書きで自署したい場合は、それでもよいのですが、忘れずに。

支援を受けた認定支援機関の名称

本計画の作成に当たって、認定経営革新等支援機関の支援を受けた場合は、その名称等を記載

認定経営革新等支援機関の支援を受けた場合のみ、その機関が次のいずれに該当するかをチェックし、機関名を記載します。

  • 銀行
  • 信用金庫
  • その他金融機関
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 商工会
  • 商工会議所
  • 中小企業診断士
  • 弁護士
  • 民間コンサルティング会社
  • その他

仮に当社が支援させていただいた場合は、

  • 「民間コンサルティング会社」に✔をして、
  • 「経営革新等支援機関の名称」欄に「有限会社サステイナブル・デザイン研究所」と記入し、
  • 「支店名」は空欄、
  • 「担当者」は西原弘、
  • 「連絡先(TEL)」は03-6804-4861

となります。

認定経営革新等支援機関以外の支援を受ける場合もありますが、その場合は空欄です。

認定経営革新等支援機関の支援を受けた場合は、機関の種類をチェックし、機関の名称・支店名(ある場合)・担当者・連絡先(TEL)を記入する。

認定経営革新等支援機関の支援を受けなかった場合は、空欄のままです。

まとめ

申請前の最終確認で作成するたった1枚のチェックシートですが、意外と面倒なものです。

とくに、自社以外の機関に発行してもらう必要があるA類型の証明書、B類型の確認書は、必ず事前に入手しておきましょう。

関連記事▶ 「経営力向上計画」申請・活用マニュアルに戻る

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ライター紹介 ライター一覧

西原 弘

西原 弘

(にしはら ひろし)


経営計画コンサルタント

自分もクライアントも、「自営業という生き方」「経営者という生き方」でよかったと人生をまっとうできる、「会心の経営、会心の人生」を追求しています

略歴
・神奈川県川崎市、小売酒屋の次男に生まれる(1968)
・東京大学文学部卒業(1991)
・株式会社三菱総合研究所研究員(1991-2002)
・有限会社サステイナブル・デザイン研究所設立・代表(2002-)

コンサルティング/コーチングの基本原則
・社内にいない・雇用で確保できない人材の穴を埋めます:社外部長(社外CXO)
・規模によって異なる社長の課題と役割にフォーカスします:ひとり社長経営・脱ひとり社長経営・チーム経営・組織経営
・業種・業態を問わない成功方程式があります:あり方×なり方×やり方×つづけ方=目標達成

心の言葉
・心の欲する所に従って矩を踰えず(孔子)
・不易流行(松尾芭蕉)
・為せば成る(上杉鷹山)
・ピンチはチャンス(福岡正伸)
・感動で決断、論理で実行(西原弘) 

教育・講座(代表例)
・立教大学観光学部兼任講師(環境社会学)(2003-2006)
・島づくり人材養大学講師(2007-)
・ひとり社長大学主宰(2014-)
・2015-16年度第2創業スクール講師(御茶ノ水・虎ノ門・品川・表参道)
・20717年度しまビジネス創業スクール主宰・講師

資格・登録
・技術士(衛生工学部門)
・エコアクション21審査人
・キャッシュフローコーチ
・あしたの給与コンサルタント
・セールスレップ2級
・アンガーマネジメントファシリテーター
・健康経営アドバイザー(初級)

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